末期の人を援助する目的は、苦痛や悩みを和らげ、心の平安を増す手助けをすることにあります。そのために心掛ける7つの要点をあげてみました。
回復不能な状態にあるならば、少しでも苦しみや悩みから解放させ、満ち足りた気持ちで最後の日々をおくることができるよう手助けをしてあげたいものです。
心の平安を増すよう手助けするとともに、希望している願いをかなえてあげるようにしてあげることも、大切なことです。末期の人の願いは、私たちが健康である時には、かなえられる当然なことが多いものです。
「おいしい物が食べたい」「もう一度、庭の手入れがしたい」等々です。そのためできるかぎり努力して実現させてあげたいものです。
病人は大変に心が敏感ですから、同情と関心をもって接してあげることが大切でしょう。
病人が、心から願うことは、「誰かがそばにいて、私の苦しみや悲しみを分かち合ってほしい」ということでしょう。したがって、病む人と共にいることが大切となります。病む人のそばにいて、さまざまな苦しみや悲しみに耳を傾け、その訴えを聞いてあげることが病む人の求めていることでしょう。
末期の人を援助する為には、出来るかぎり、何度も訪問してあげることが大切です。そうすれば「寂しい」気持ちが和らぎ、気持ちが穏やかになるでしょう。
末期の人が、何を感じ、何を欲しているのかを聴きとり、願いごとの実現に尽力することが大切です。そのために話に関心をもって聴き、何を望んでいるかをあるがままに受けとめたいものです。
「もう一度、口から物を食べたい」
「洗面所まで歩けるようになりたい」
「おいしい物が食べたい」
「痛みから解放されて、ゆっくり休みたい」
こうした小さな願いに耳を傾けることは、とても大切なことでしょう。
体力が衰え会話が不可能になった時にも、手でこちらの気持ちを伝えられます。私たちは、相手に触れることによって、「私はあなたと共にいます」というメッセージを送っているのです。会話ができなくなった時には、相手の手をにぎったり、身体をさすってあげたりしながら、コミニュケーションするのも大切です。
末期の人のケアに携わる時に注意したいのは、家族自身がこうむるストレスにどう対処していくかということです。
末期の人は、援助する人の心を敏感に察知します。もし、家族の方々が、看病に疲れたりして、看護に心がこもらなくなったり、疲れた顔をしていたら、看病を受ける人も負担を感じさせてしまいます。そこで家族の方もゆっくりと息抜きをして、自分たちをケアする時間が必要でしょう。