【11】受給の手続き (D)高額医療費(高額療養費)の支給

1.高額療養費の支給

医療費の自己負担分が一定額を越えると、越えた分の金額が申請により保険から後日支給される。
(国民健康保険、社会保険とも同じ)

高額療養費に該当する場合は、通常の場合、支払ってから2〜3カ月後に、健康保健の事務係から、高額療養費の払い戻しの案内と手続きについて連絡書が郵送されて来るので、それに従って手続きをする。
(手続きは、郵送されてくる高額療養費の案内書に記載されているが、健康保険証と、保険から自己負担で支払った医療費の領収書、印鑑が必要)

所得金額、年齢により、自己負担分の限度額に差がある。
病院の特別室の料金等、医療費として認められないものもある。


2.自己負担の限度額

●国民健康保険の場合(平成15年4月以降.。社会保険等表1.に準ずる)

平成14年10月・平成15年4月に改正が行われました。対象期間がまたがる場合など、詳しくは
国民健康保険・老人健康保険 各自治体保険年金課
社会保険等 勤務先または社会保険事務所
組合保険 勤務先または各組合
等へお問い合わせください。

表1.70歳未満の被保険者世帯全体の自己負担限度額(1ヶ月につき)…平成15年4月より
  世帯全体
12ヶ月間に3回目まで 4回目以降
住民税
課税世帯
上位所得者 総医療費が466,000円未満の場合
139,800円
総医療費が466,000円以上の場合
139,800円+{(総医療費−466,000円)×1%}
77,700円
一般 総医療費が241,000円未満の場合
72,300円
総医療費が241,000円以上の場合
72,300円+{(総医療費−241,000円)×1%}
40,200円
住民税非課税世帯 35,400円 24,600円
同じ世帯で2人以上、または1人で2ヶ所以上の医療機関に支払った医療費を合算できる金額
合算対象基準額 各21,000円以上
※ 上位所得者とは、国民健康保険税の算定の基礎となる基礎控除後の年間総所得金額が670万円(月収56万円)を超える世帯。
※ 住民税非課税世帯とは、世帯主と国保被保険者全員が住民税非課税世帯の場合


表2.70歳以上の被保険者(老人保健受給者を除く)の限度額 …平成14年10月より
  70歳以上国保被保険者(老人保健受給者を除く)
外来(個人ごと)…(B) 外来+入院(世帯ごと)… (C)
一定以上所得者 40,200円 総医療費が241,000円未満の場合
72,300円
総医療費が241,000円以上の場合
72,300円+{(総医療費−241,000円)×1%}
(※12ヶ月間に4回目以降の場合 40,200円)
一般 12,000円 40,200円
低所得U 8,000円 24,600円
低所得T 8,000円 15,000円
一定以上所得者とは、同一世帯の国保被保険者に一定以上の所得(課税所得が124万円以上)の70歳以上の被保険者または老人保健対象者がいる場合。
ただし、70歳以上の方または老人保健対象者の収入の合計が
70歳以上の単独世帯の場合 年収450万円未満
70歳以上の方および老人保健対象者が2人以上の世帯の場合 年収637万円未満
である旨申請があった場合を除く
低所得者Uとは、世帯主と国保被保険者全員が住民税非課税の世帯に属する人。
低所得者Tとは、世帯主と国保被保険者全員が住民税非課税世帯で、かつ各種収入等から必要経費・控除を差し引いた所得が0円となる世帯に属する人。
例: 単身世帯 年収約65万円以下
  夫婦二人世帯 年収約130万円以下
低所得者T、Uの人が入院等の治療を受ける場合は、「限度額適用・標準負担額減額認定証」が必要。

イラスト ●高額療養費の計算方法

以下のような方法で自己負担額を超えた金額を計算する。

  1. 同じ診療月ごとに合算。
  2. 医療機関ごとに合算。
  3. 同じ医療機関でも入院と外来は別計算
  4. 同じ医療機関でも医科と歯科は別計算。
  5. 食事代や保険のきかない差額ベット代は対象外。

次に下記のように自己負担限度額を適用し、超過した金額を計算し、合算する。(上記、表を参照)

  1. 70歳以上の被保険者の外来自己負担額を個人単位で合算し、表2.(B)の限度額を適用。
  2. 70歳以上の被保険者の自己負担額(5.の額及び入院分)を世帯単位で合算し、表2.(C)の限度額を適用。
  3. 70歳未満の被保険者の自己負担額と70歳以上の被保険者の自己負担額(6.の額)を世帯単位で合算して表1.の限度額を適用する。(合算対象基準額21,000円以上のもののみ)
平成14年10月・平成15年4月に改正が行われました。対象期間がまたがる場合など、詳しくは
国民健康保険・老人健康保険 各自治体保険年金課
社会保険等 勤務先または社会保険事務所
組合保険 勤務先または各組合
等へお問い合わせください。

3. 医療費の積算

複数の医療機関にかかった場合に積算すると、上記金額に達する場合があるので申請手続きを忘れないよう。
年間の医療費の自己負担分が10万円を越えた場合は、確定申告の時に医 療費控除を受けられるので領収証を保存しておく。

 


4.その他

遠隔地で医者にかかった場合など、保険証を持参していないために医療費の全額を自己負担した場合は、その支払を証明する領収証を添えて手続きをすれば、保険から規定の割合で医療費が支払われる 。

所轄の健康保険課や、勤務先を通じて社会保険事務所などに相談する。

  • 低所得者とは、市町村民税の非課税世帯(市町村長の証明必要)
  • 生活保護法の被保険者世帯(福祉事務所長の証明必要)

 

Copyright (C) 1996 SEKISE, Inc.


個人のお葬式 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11A | 11B | 11C | 11D | 11E | 11F | 12 |

[もどる] [ページの先頭]