7.葬儀内容の決定

遺族を代表して葬儀を執り行い、故人にかわって弔問のあいさつを受ける人を「喪主」といいます。
喪主は遺族、近親者が相談して早く決めます。従来は、祭祀継承者である故人の長男が喪主になりましたが、今日では妻でも親でも喪主を務めるようになりました。

●喪主の決定

(1) 普通は故人と最も近い血縁の人がなることが多いようです。
(2) 夫婦のいずれか一方が死亡した場合にはその配偶者、配偶者がすでに死亡している場合は長男、又は、二男がなります。
(3) 子どもがいないときには、父親か母親がなります。
(4) 以上がいないときには、兄弟姉妹がなります。
(5) 故人が生前に指名していた場合はそれに従います。
(6) 故人が次男や三男、あるいは嫁いだ娘の家に同居していた場合、その家で葬儀を行うことになれば、その家の筆頭者が喪主になることもあります。
(7) 別居している二男の社会的地位が高くて、この二男関係の会葬者が多い時には、二男が喪主を務める場合もあります。

<※ポイント>

配偶者や長男が喪主となる原則であっても、その人たちが高齢であったり、病身であったり幼少である場合などは、避けることがあります。もし未成年の子が喪主になる場合は、伯父などが後見人となって、喪主の代理をすることになります。
また葬儀に喪主を務めた人が、引きつづきその後の仏事を主催するケースが多いようです。喪主を選ぶ場合はこの事情をふまえて決める必要があります。

●葬儀の形式

現在、日本の葬儀のおよそ九割は仏式で執り行われていますが、同じ仏式でも宗派や地域のしきたりによって少しずつ違いがあります。そのほかの葬儀形式には、神式、キリスト教式(カトリックとプロテスタント)、友人葬、無宗教葬、団体葬などがあります。どの形式にするかは、故人の信仰や希望を尊重したいものです。

(1) 故人が信仰した宗教が喪家の宗教と異なっている場合、故人の遺志を尊重して、故人の信仰にもとづいて行うのがふさわしいでしょう。
(2) 故人が無宗教の揚合は、習慣的に仏式にすることが多いようです。宗派は生家のものに従うのが普通ですが、故人が既婚女性の場合には婚家の宗派に従って行うことになります。
(3) 最近では新形式(無宗教葬、音楽葬、友人葬など)で葬儀を行うケースも出てきています。

●葬儀の規模

故人の社会的な地位、故人の遺志、つきあいの範囲、予算、遺族の交際範囲、会葬者の人数などを考え合わせて、葬儀の規模や会場を決めます。
故人の社会的な地位によっては、社葬、団体葬という場合もあります。

●葬儀の日程

(1) 葬儀の日程・時間は、火葬場の時間、僧侶のご都合を考慮します。
(2) 遠方から来られる縁者などの到着時間を考慮します。
(3) 「火葬、埋葬は、死亡後24時間以上経過しなければできない」と法律で決められています。
(4) 一般的には、死亡したその日のうちに納棺し(死亡が夜なら翌日)、通夜は第二夜というのが普通のやり方です。
(5) 葬儀が友引きに当たる場合に、第二夜を近親者だけの通夜(仮通夜)に当て、第三夜を一般弔間客の通夜(本通夜)にすることもあります。いずれの揚合も、葬儀、告別式は通夜の翌日に行います。
(6) ご遺体検案に日数がかかる場合には、葬儀を一日か二日先に延ばすこともあります。
(7) 葬儀がお正月や、日を置いて社葬を行う場合には、前もって自宅で身内だけで読経、焼香をすませて火葬にしたのち、日を改めて遺骨によって「本葬」を行うこともあります。

●友 引

<※ポイント>

「友引」の翌日は、火葬場も僧侶も忙しくなるので、予定の葬儀時間がとれない場合にずらすこともあります。「友引」の日の葬儀は、死者が友を呼ぶという迷信から行わないのが普通です。またこの地域では友引の日を休業とする火葬場が多く、葬儀は行いません。なお葬儀会館では友引でも通夜は行われます。

●通夜・葬儀の時間

葬儀の時間は、火葬場や僧侶の都合に合わせて決められることになります。通夜は、午後6、7時ごろに始まり1時間くらいで終えるのが一般的です。葬儀・告別式は午前中の1時間、あるいは午後の1時間で出棺というケースが多いようです。

●葬儀の会場

(1) 団地やマンションなど高層住宅に住んでいる場合、間取りや広さの関係で、団地内の集会所や公民館などを借りることが多いようです。自宅で葬儀を行う場合には、隣近所の家に家具などを預かってもらったり、控え室として部屋を使わせてもらって、行なうことがあります。
(2) 社葬、あるいは個人葬でも規模の大きい葬儀では、寺院や斎場などで行うことが多くなっています。
(3) 寺院での葬儀の場合、菩提寺に連絡して、葬儀場としてお借りすることをお願いします。もし菩提寺が遠方にあったり、また小さい場合には菩提寺に式場となるお寺を紹介していただくのがよいでしょう。
(4) 最近では、雨天や寒さ暑さの厳しい時期でも快適に会葬できる斎場が利用されています。

●斎 場

斎揚には、宗教に関係なく利用できる斎場や、公営斎場もふえてきています。なお斎場を決めるにあたってのポイントをあげてみました。
(1) 交通の便
(2) 参列者の収容人数
(3) 利用時間は
(4) 通夜を行なう場合の宿泊施設
(5) 料理や酒、茶菓などの通夜ぶるまいの用意ができるか
(6) 駐車台数
(7) 料金、など細かい点まで聞いておきます。

 

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