年賀欠礼

<現 状>

喪中の期間中に新年を迎えるときには、年賀欠礼状を出す習慣があります。喪の期間の基準となっているは、明治時代に作られた忌服規定 であり、両親が死んだときで1年、夫1年、妻3カ月、子供・兄弟は3カ月、祖父母は5カ月、叔父叔母は3カ月となっています。 しかし現代では細かい規定でなく、欠礼は一律に亡くなってから1年としているのが普通です。

また、遺族が故人と同居していたかどうか、あるいは手紙を出す先が故人のことを知っているかどうか、家同士のつきあいなどを基本として決めますので、仕事関係先などには、服喪に関係なく欠礼を省略する場合もあります。

その年に近親者を亡くした場合、年賀欠礼状を出します。また、不幸があった翌年は、お正月のお祝いを行わないというのが一般的です。「年始のご挨拶を遠慮いたします」という文面からもわかるように、身内が亡くなった悲しみから身を慎み、喜びの表現を控えるという意味です。

●欠礼するのはどんな時か

通常欠礼の範囲は、2親等までの親族、もしくは故人と同居していた場合です。具体的には父母、配偶者の父母、子、兄弟姉妹、祖父母、配偶者の祖父母、孫、配偶者の兄弟姉妹が2親等までの親族となります。しかし、祖父母、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹を亡くした場合には、故人と同居していなければ欠礼としないことが多くなっています。また、公私を分けて考えるならば、配偶者側の喪である場合など、仕事関係先への欠礼を省略して、例年通り年賀状を出すこともあります。

関連項目→[年賀欠礼 よくあるご質問]

●誰に出すのか

欠礼状は年賀状を出せないお知らせです。そこで、毎年年賀状のやりとりをしている方に出します。また、喪中であることを先方が知っていたとしても、欠礼状の主旨からすると出すのが正式です。その他、まだ故人の死をご存知ない方や、死亡を知らせたい方に出すこともあります。

●欠礼状を送る時期・書き方

12月の初めには、相手に届くようにしましょう。
文面には、誰が亡くなったのかわかるように、故人の名前と続柄を記しておきます。最近は、家族の連名で文面を作成し、印刷を依頼することが多くなっているようですが、自分でつくることも可能です。切手は弔事にふさわしい図柄のものがありますが、あまりこだわる必要はありません。派手な色柄のものでなければかまわないでしょう。官製はがきを使用して欠礼状を作成してもかまいません。

関連項目→ [喪中はがきの書式]

●欠礼状が届いたら

欠礼状を受け取ったら、年賀状を出すことは控えましょう。もし、返事を書きたいのであれば、寒中見舞やふつうの手紙として出すようにします。 若い人の間では、季節柄控えめなデザインのクリスマスカードを利用して返事を出す、ということも行われているようです。

関連項目→[喪中のハガキで死亡を知ったとき]

●喪中に年賀状を受けたら

年賀欠礼状を出してもかまいません。また松の内が明けてから、寒中見舞いとして返事を出すのもよいでしょう。もし、喪中を知らせていない先であれば、喪中であることを知らせ、誰が亡くなったかを明記します。

「おめでとう」といった表現は使わずに「喪中につき、年始のご挨拶を控えさせていただきます」「今年もよろしくお願いします」といった文章にします。

以下は例です。

ごていねいに年頭のごあいさつをいただき、ありがとうございます。
じつは昨秋父を亡くし喪に服しておりますので、お年始状をご遠慮申し上げました。失礼の段お許しくださいませ。
本年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます。

●欠礼状で不幸を知ったら

お付き合いの程度にもよりますが、 電話や手紙でお悔やみを述べるのがよいでしょう。
「初めて御不幸を知り、驚いております」「おさびしいことと存じますが、いかがお過ごしですか」といった言葉で始めるとよいでしょう。最後は「くれぐれもお身体に気をつけて」と相手を思いやる言葉で締めくくります。

 

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