死亡が確認されたら、初めにご遺体の清めが行われます。昔は「湯灌」といって、たらいに逆さ水を入れ、全身を洗い清めるならわしがありました。現在ではこの方法は行われなくなり、アルコールや、湯にアルコールを加えたものにガーゼを浸して、それでご遺体をふき清めるようになりました。
そのあと、汚物が出ないように、耳、鼻、口、肛門などに脱脂綿を詰めます。
最近では、ご遺体の清めは、病院で死亡したときには看護婦さんが行うようになりました。
(1) | 目が開いていたら、そっと閉じてあげます。 |
(2) | 口が開いていたら、下あごを持ち上げ、しばらく支えておきますと閉じます。 |
(3) | 髪をととのえ、男性ならひげをそり、女性には薄化粧をします。 |
(4) | もし爪が伸びていたら切ります。遺髪や遺爪をとっておきたいときは、このとき切っておきます。 |
(5) | 病気によってほおがこけてしまっているときには、ほおに含み綿を入れてふっくらさせてあげるのもよいでしょう。 |
(1) | ご遺体は頭が北に、足が南に向くように蒲団を敷いて寝かせます。これを「北枕」といいます。これは釈迦が涅槃に入ったときの姿を模すものといわれています。 |
(2) | 部屋の間取りの都合で北枕にできない場合には、西枕にしても差し支えありません。仏壇のある部屋なら仏壇に頭を向けるのも一つの方法でしょう。 |
(3) | ご遺体を寝かせる寝具は、できるだけかさばらないものにします。敷布団は一枚にして、掛け布団もなるべくご遺体が暖まらないように、薄くて軽いものにします。 |
(4) | 掛け布団は、すそになるほうをご遺体の顔の方に来るように、上下を逆さにしてかけるのがならわしです。 |
(5) | カバーやシーツは、新しいものか、洗濯してある清潔なものにかえます。 |
(6) | 枕は、あまり高くないものを選びます。低すぎると口が開きやすいので、注意が必要です。 |
(7) | 顔は、白い布(さらしを切ったものや無地のハンカチ)でおおい、両手を胸元で合掌させ、数珠を両手にかけます。 |
(8) | 掛け布団の上には刃物(守り刀)をのせるしきたりがあります。今では袋入りの短い木刀を使用します。守り刀は、刃先を足のほうに向け、顔のほうには向けないようにします。 |