9.通夜の準備

自宅で葬儀を行う場合には、弔問客の出入りが多くなる前に、家の中を整理整頓しておきます。

●祭壇を飾る

(1) 祭壇を飾る部屋は、弔問客が出入りしやすいところがよいでしょう。普通は、弔問客の流れを考え、なるべく広く使える部屋にするか、祭壇はなるべく入り口から見通せる所に飾り、弔問客には、玄関や廊下に置かれた焼香台で焼香をしていただきます。
(2) 家の中で葬儀に使わない部屋を一室用意して、僧侶の着替え、家族・親族の休息室にします。

●部屋の片付け

(1) 部屋割りが決まったら、ふすまや障子をとりはずして、邪魔になる家具や電気器具などは別の一室にまとめて、できるだけ広く使えるように片付けます。
(2) 隣近所に親しいお宅があれば、邪魔になる家具を預かっていただきます。玄関は人の出入りが多く混雑しますから、げた箱や傘立てなどは物置などに移します。
(3) 家具類を片付けるときには、その前に葬儀に必要な小物、衣類(喪服、くつ下、ハンカチなど)をとり出して、すぐ利用できるようにまとめておきます。
(4) トロフィー、人形など弔事にふさわしくないものは、目にふれないところに片付けます。とりはずせないものには、その上に紙をはって目隠しをします。

●遺影の準備

故人が気に入っていた写真の中で、できるだけ死亡年齢に近くて、正面を向いた写真を遺影として使います。遺影写真といっても、必ずしも畏まった写真がよいわけではありません。むしろ、故人の人柄がごく自然ににじみ出て、笑顔で語りかけてくるような写真のほうが、弔問客もあたたかい気持ちで最後のお別れができるでしょう。

(1) 写真は引き伸ばしますから、選んだらすぐに渡します。
(2) でき上がりは白黒の写真が普通ですが、最近ではカラー写真の遺影も増えています。
(3) 遺影写真が仕上がったら、額に入れて黒いリボンをかけて、祭壇の中央に飾ります。

●屋外の準備

部屋の中の準備と並行して、屋外の準備を進めます。

(1) 玄関先から庭、家の周囲、道路までていねいに掃き清めます。
(2) 玄関先にある自転車、傘立てなど、人の出入りの邪魔になるものは、ほかの場所に移します。
(3) 玄関は出入りが自由にできるように開けたままにしておきます。
(4) 玄関先には、不幸があったことを告げる「忌中」札をはります。

●受付台の設置

(1) 受付は門の外、玄関前、庭先などに設けます。受付台には弔問客の記帳簿、香典帳、筆記用 具、名刺受けなどをおきます。
(2) 台にする机やいす、テントなどは葬儀社が用意します。人数によっては、コート類を預かる合札などが必要になります。
   
   

●道路標示

弔問客のための道路標示には、家名や葬儀日時を記入して、バス停留所から葬儀場所までの要所要所、車で来られる方には通りから会場へ導く目につきやすい場所に立てます。

●駐車場の手配

マイカーで弔問や会葬に来られる方のために、近くに駐車場やあき地があれば事情を話して、その時間だけ借りるようお願いするとよいでしょう。

<※ポイント>

適当な駐車場がなければ、警察署で道路の使用許可をとっておく必要があります。
迷惑をかけそうな隣近所の家に事情を話して、了解を得ておくことも大切です。
近くに駐車場がなく、付近での駐車が不可能なときには、死亡通知にそのことを断っておいたほうがよいでしょう。
会場までの公共交通機関がない場合、最寄りの駅 やバス停留所まで送迎の車を差し向けるようにします。

●供花・供物

(1) 祭壇の飾りつけがすんだころに供物や供花などが届き始めます。届いたものは「供物帳」に記録してから飾ります。
(2) 供物や供花を飾る順序は、近親者からのものは故人との血のつながりの深い順に、また、友人、知人、関係者からのものは関係の深さの順に、棺に近いところから祭壇の左右に分けながら並べます。
(3) 屋外に並べる花輪も、同じような順序に玄関に近いところから並べます。
(4) 多くの花輪が届いて、一列に並べきれないときは、道路に並べて立てていくことになりますので、隣近所の了解を得ましょう。

●弔 電

故人が知名度の高い人であれば、弔電の数は多くなります。

(1) 弔電が届いたら世話役は喪主と相談して、そのなかから奉読する主なものを幾つか選びます。
(2) 選ぶ基準は、喪主と世話役の考え方によって決めます。

 

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