曹洞宗の式次第

禅宗の一派である曹洞宗は、道元(1200〜1253)が入宋して伝え受けました。曹洞宗は特定の所依の経典はありません。しかし『般若心経』『法華経』などの大乗経典や真言陀羅尼、中国の祖師の著作、「舎利礼文」「修証義」などがよく読誦されています。ご本尊は釈迦牟尼仏。本山は、道元の開いた永平寺(福井県吉田郡)と瑩山の開いた総持寺(横浜市鶴見区)です。曹洞宗の葬儀は往生浄土ではなく、すみやかに悟りを開かせることが目的です。
(なお、時間によって省略される場合がございます)

一般の仏式葬儀式

次第一般に行われる仏式葬儀の場合、「読経」という部分でその宗派独自の経典読経、および作法が実施されます。式次第に「読経」部分の細目が記されない場合には、仏式に共通した式次第が使用されることがあります。

式の特色

故人を剃髪して戒律を授け、この世の縁を絶ち切って、如来光明の空の世界に引導する儀式であります。浄土系の浄土は下品下生から上品上生まで九つの往生の仕方がありますが、禅宗では速やかに悟りの世界に導くものです。

式次第(例1)

1.枕経

 枕経は『遺教経(ゆいきょうきょう)』または『舎利礼文(しゃりらいもん)』を3返読んで回向します。
  『遺教経』は釈尊が入滅にさいして弟子たち最後の説法をした時の情景を説いており、禅宗では重んじられています。

2.通夜諷経(ふぎん)

『修証義(しゅうしょうぎ)』 『父母恩重経』などが読まれます。

3.葬儀式

(1) 剃髪の儀 死者を仏門に入らせるの受戒作法の一つ。導師は前で香をたき、合掌して偈を唱えます。
(2) 授戒作法 懺悔文を唱え、次に三帰戒を授けます。以上、故剃髪・授戒して仏教者にしてから、狭義の葬儀が始まります。
(3) 入龕諷経
(にゅうがんふぎん)
入龕は棺に納める儀式ですが、実際にはすでに納棺されています。まず陀羅尼(ダラニ)を次に回向文を唱えます。
(4) 大夜念誦(龕前念誦) かって大夜は葬儀の前日の夜に行なわれましたが、今は入龕諷経に続いて読まれます。
(5) 挙龕念誦
(こがんねんじゅ)
棺を起こして葬場におもむく前に唱えられます。
(6) 引導法語 導師が法炬(たいまつ)を手に取り、右回り、左回りと円相を描きます。
次に払子(ほっす)で引導法語を唱えます。この引導法語は一字一喝により、故人を一挙に仏の世界に入らせることを目的とします。
(7) 山頭念誦 山頭とは火葬場のことです。この念誦では、故人に荼毘(だび)することを告げ、すみやかに悟ることを願うものです。
(8) 回向文  

式次第(例2)

(1)親族・参列者着席 
(2)導師式衆入場
(3)開式の辞
(4)入龕諷経
(5)念誦
(6)引導法語
(7)弔辞拝受
(8)弔電拝読
(9)葬儀委員長挨拶
(10)山頭念誦文
(11)焼香
(12)回向文
(13)導師式衆退場
(14)葬儀式閉式
   小憩
(15)導師式衆入場
(16)御参列者焼香
(17)導師式衆退場
(18)遺族代表挨拶
(19)告別式閉式
/以上

 

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