臨済宗の式次第

臨済宗の宗祖は栄西(千光国師・1141〜1215)です。禅宗には法の精神は文字で伝えることができないという「不立文字(ふりゅうもんじ)」の伝統があります。
ご本尊は釈迦牟尼仏を教主としています。臨済宗は多くの派に分かれており、代表的なものとして建仁寺派(建仁寺・京都市)、東福寺派(谷福寺・京都市)があります。臨済宗の葬儀は、死者を大悟の境地に導くことが目的です。臨済宗は15派から成り、各派とも公に定められた葬送儀則はなく、本山僧堂などを中心に、慣例によって儀則が作られています。
基本的には江戸時代に作られた『小叢林清規』に基づいています。
(なお分派によって式次第が異なったり、時間によって省略される場合がございます)

一般の仏式葬儀式

次第一般に行われる仏式葬儀の場合、「読経」という部分でその宗派独自の経典読経、および作法が実施されます。式次第に「読経」部分の細目が記されない場合には、仏式に共通した式次第が使用されることがあります。

式の特色

故人が仏の戒めを守って、苦しみを超えて浄土に生まれ、安らぎの世界に生まれますように、さらに残された者も共にさとりを成就できますように願う儀式であります。引導文では故人の一生や功績を述べ、仏道に励んだことを賛えるものです。

式次第(例1)

1.枕経

 『観音経』『大悲心陀羅尼』を読誦し、普回向、その後に和讃などを唱えます。

2.通夜諷経

 『観音経』『金剛経』

3.得度式

死者を剃髪して僧形にし、三帰戒を授けて仏教者として生まれなおし、仏者として葬儀式を行ないます。

4.葬儀式

 

(1) 剃髪(ていはつ) 剃髪用の剃刀は棺の上に置き「剃髪の偈」を三唱します。
(2) 懺悔文  
(3) 三帰戒文  
(4) 龕前念誦 大夜念誦ともいわれるもので、初めに「龕前念誦」を唱え、次に「十仏名」を唱和します。次に『大悲呪』を読誦し、回向文を唱えます。
(5) 鎖龕諷経(さがんふぎん) 鎖とは閉ざすことで、棺の蓋をするにあたっての諷経です。初めに『大悲呪』を読誦し、次に回向文を唱えます。
(6) 起龕(きがん)念誦 起龕とは龕(棺)を起こして葬場に向かうさいに読み上げるものです。「起龕念誦」を唱え『大悲呪』を読誦し、次に回向文を唱えます。念誦を終え、葬場に向かいます。
(7) 葬列  
(8) 山頭念誦 山頭とは葬場のことで、火葬あるいは土葬に際して念誦を唱えます。これにより故人が浄土に至ることを助けるのです。
(9) 引導(いんどう)法語 導師によって引導法語が唱えられます。
(10) 荼毘(だび)諷経  
(11) 収骨諷経 「舎利礼文(しゃりらいもん)」などを唱えます。
(12) 安骨諷経 遺骨を霊前に安置し唱えます。

式次第(例2)

1.葬儀式

(1)一同着席
(2)開式の辞
(3)導師入場
(4)読経
(5)引導
(6)弔辞
(7)弔電奉読
(8)葬儀委員長挨拶
(9)読経(焼香)
(10)回向
(11)導師退場
(12)閉式の辞
    小憩
(13)告別式/以上

 

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