浄土宗の式次第

浄土宗の宗祖である法然上人(円光大師 1133〜1212)は、頭北面西して「光明 はあまねく十方世界を照らしたまい、念仏の衆生を摂取して捨てたまわず」のお経の 一節を唱えて80歳で死去されました。
浄土宗の主要経典は『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』。ご本尊は浄土宗の本 尊は阿弥陀仏。本山は知恩院(京都市)を総本山とし、大本山に増上寺(東京都)が あります。葬儀は死者を阿弥陀如来のまします西方浄土に送る儀式といいます。(な お地域によって式次第が異なったり、時間によって省略される場合がございます)

一般の仏式葬儀式

次第一般に行われる仏式葬儀の場合、「読経」という部分でその宗派独自の経典 読経、および作法が実施されます。式次第に「読経」部分の細目が記されない場合に は、仏式に共通した式次第が使用されることがあります。

式の特色

死者をまず仏の弟子とする授戒会を枕経のなかで行います。葬儀式のなかで死者 に回施(別回向)して、衆生ととも極楽往生を願い(総回向)、法要を終えるにあた って四弘誓願を述べ、報恩の心で仏を礼します。

 

式次第(例1)

1.枕経

(1) 奉請 世尊、釈迦如来、十方如来を迎えます。
(2) 広懺悔 仏菩薩に対し懺悔します。
(3) 剃度(ていど)作法  死者を剃髪し得度します。
(4) 授与三帰三竟 死者を仏法僧に帰依させます。
(5) 授与戒名 死者に戒名を授けます。
(6) 開経偈 本経の徳を賛えます。
(7) 誦経 「無量寿経」などを唱えます。
(8) 聞名得益偈 「無量寿経」のなかの偈を唱えます。
(9) 発願文 死者が無事往生することを願い唱えます。
(10) 摂益文 「観無量寿経」のなかの文を唱えます。
(11) 念仏一会  
(12) 総回向偈 この法会の功徳が回向されることを念じます。

2.葬儀式

(1) 参列者一同着席  
(2) 導師入場  
(3) 開式の辞  
(4) 三宝礼 仏法僧に対し礼拝します。
(5) 鎖龕(さがん) 棺を閉ざし、中啓(扇子)で一円相を描きます。
(6) 起龕(きがん) 出棺のときに文が唱えられます。
(7) 奠湯・奠茶
(てんとう・てんちゃ)
霊前に湯と茶を供えます。
(8) 下炬(あこ) 導師は棺の前に進み焼香し、2本の松明を取り、そのうちの一本で一円をかい て下炬の偈を述べます。偈の最後には餞別の辞を述べ、「南無阿弥陀仏」の念仏を10回唱えます。
(9) 弔辞  
(10) 開経偈 経の徳を述べます。
(11) 誦経  
(12) 総回向 法会の功徳を回向します。

 

式次第(例2)

(1) 参列者一同着席
(2) 導師入場
(3) 開式の辞
(4) 読経
(5) 導師引導
(6) 弔辞
(7) 弔電
(8) 葬儀委員長挨拶
(9) 指名焼香
(10) 導師退場
(11) 閉式の辞/葬儀式終了
小憩
(1) 導師入場
(2) 告別式開式の辞
(3) 一般参列者焼香
(4) 葬儀係員焼香
(5) 導師退場
(6) 遺族代表挨拶
(7) 閉式の辞/社葬終了

 

Copyright (C) SEKISE, Inc.

[もどる] [ページの先頭]