1991.06
最近の墓地事情

  人の死の後に必ず待っているのが、墓地である。長い歴史の中で墓地の変遷をみると、その時代の「死生観」「宗教観」が理解できるが、今日ほど大きな変化を迎えている時代も珍しい。現在首都圏での墓地購入は容易ではないため、それに対応するビジネスが生まれ、また行政でもいくつかの対策が考えられている。今回のデスウオッチングは、この5、6年間に見られる「お墓」にまつわるトピックを、新聞・雑誌の中から拾ってみた。


墓苑ビルで収納スペースを確保

  都市圏では地価高騰の煽りをうけ、墓地不足が深刻化している。そのためフジタ工業では21世紀の都会墓地として、「外部開放型重曹墓苑」の建築企画設計を開発。外観は古来の仏教伝統を守ったデザインにし、都市圏の寺院を中心にPRを進めている。(霊園新聞86.5.10)

 

お墓の新規需要は294万基

  日本全国で1年間に建てられるお墓は約35万基。年間死亡者数約70万人の半分に当たる。全日本墓園協会の予測によると、1985年から2000年の15年間に全国の墓地の新規需要は294万基。このうち首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)が71万基で約4分の1を占め、関西圏も45万基という。(中経86.9.21)

 

お墓掃除のニュービジネス登場

  墓石クリーニングのニュービジネスが登場。社名はクリーンセメタリーで、12月から営業。墓地の清掃管理は霊園の管理企業が請け負っているケースが多いが、墓石そのものの清掃・コーティングを請け負うのはこれが初めて。墓石を特種洗剤で磨いた後、コーティングして風雨から守る。基本価格は1平方mあたり、2,500〜3,000円。(日経産業86.11.20)
  *87年12月には1日平均8件、お盆などのピーク時には25件という。

 

お墓を作るのは毎年約1万8千人

  東京都の場合、毎年亡くなる人が6万人で、そのうちお墓を作る人は約1万8千人。墓石は輸入石が多く、国産で一番高価な庵治(あじ)石を使うと1尺角で480万円する。色は7対3で黒より白が多い。(週刊文春87.2.5)

 

都市部の寺院に地下霊園はいかが

  コンクリート2次製品メーカーが、地下室タイプの地下霊園を開発。檀家の増加で墓地用のスペースが足りない都市部の寺院に売り込むという。施工費は3.3平方m当たり約65万円。墓の収容規模は最大300基。床面積は100基で160平米となる。(日経産業87.3.12)

 

お墓もニューデザインの時代

  墓石を販売する石材店約300店のボランタリーチェーン「全優石」が、87年2月、業界で初めて本格的なお墓の「ニユーデザイン発表会」を開いた。業界関係者中心の来場を見込んでいたが、蓋を開けてみたらそれを上回る約500人の一般消費者が入場。この発表会で展示した墓石は8基。洋風、和風、無国籍のものまで様々だが、従来の型の墓石はない。来場者の反応はおおむね好意的で、「将来自分が入ることを考えれば、洗練されたデザインの方がいい」とのこと。(日経流通87.3.19)

 

障害保険でお墓を建てよう

  石材業者団体と損害保険会社が共同で、新型保険を開発した。払込み中は無料遺言相談やお墓情報サービスがあり、満期になれば払戻し金を墓づくりの費用にあてる仕組み。この保険は「全優石」の会と大東京火災海上が開発した「シルクロードメンバーズ」。これまでに約500人が契約したが、大半は50代のサラリーマン。墓を建てたい場合、寺院や霊園などの紹介が一般的だが、保険勧誘の一部なら、「不幸」を前提としていてもセールス活動がしやすいという。(朝日87.3.21)

 

裕次郎の骨灰、太平洋にまけず

  7月17日死亡した俳優の石原裕次郎さんの密葬が、19日昼に行なわれた。遺族を代表して兄の石原慎太郎さんが、「8月、私はヨットレースに出場して黒潮が流れる太平洋に骨を戻してやりたい」と挨拶。(朝日87.7.20)
  *しかしこの願いは法律違反のため実施できなかった。

 

墓地が多い岡山、島根、長野県

  厚生省の調べによると、墓地や霊園の数は全国で約88万5000ケ所。地域的にみると、中国地方が群を抜いて多く、岡山、島根、広島の3県だけで全国の3割を占める。逆に墓地が少ないのは北海道であるが、納骨堂は寒冷地のため福岡に次ぎ多いという結果が出た。(日経87.9.21)

 

お墓のない家は3人に1人

  「都霊園問題調査会」は、東京都内の3千人を対象に墓に関する実体調査をまとめた。それによると、3人に1人は墓を持っておらず、このうち46%が「近い将来、お墓が必要になる」とし、3分の2以上の人が「遠くても低価格のお墓」を願っていることがわかった。(読売87.10.20)

 

高野山にも「地上げ」の波

  高野山の土地は、総本山・金剛峯寺など53の寺院が所有している。奥の院の中心部は国の史跡に指定されており、墓を建てる場合は文化庁の許可が必要だ。申請記録によると、昭和53年度から56年度まで、わずかに3件。ところが57年度からは毎年10件前後に急増した。使用権は3.3平米当たり100万〜600万円。それに永代供養料、墓石代が数百万円とされている。(朝日88.1.6)

 

オーダーメードの墓石はいかが

  石の輸入会社、インターロックは専属デザイナーと契約して、現代人向きのデザイン性の高い墓を製造・販売する。価格は石の種類、使用量によっても異なるが、400万〜500万円という。一方、全国の石材店には専属デザイナーの作品をカタログにして配布。顧客からの注文を受けてその作品を作る場合には、ロイヤルティーを支払う仕組み。(日経産業88.2.3)

 

震度7の地震に耐える墓石を開発

  千葉県は昭和62年末、東方沖地震の被害を受け、県内各地で墓石が倒れた。在来の工法では石材を組み合わせるか、モルタルで接合する程度で、震度5の強震で倒れたりづれたりした。そこで千葉市にあるやまと家石材は、震度7の激震にあっても大丈夫という耐震性の墓石施工法を開発した。構造はねじ付きステンレス棒を墓石の中心に埋め込み、特殊な接着財で固定するもの。(日経産業88.4.20)

 

墓地、7割が200万円以上なら作らないと回答

  東京都霊園問題調査会は、都民の霊園に関する調査を行ない、3月30日に発表した。それによると、墓地の環境は「自然に恵まれた郊外」がいいとするのが58.1%、「居住地の近く」が22.1%となっている。価格については。1区画50万円未満が34.8%、50万円以上100万円未満が34.2%となっている。墓地と墓石、工事費を合わせて100万円未満という人が31.5%、100万円以上200万円未満が35%で、70%近くの人は200万円を越えてまで墓地を作りたくないという意向をもっている。(ネクスト88.5)

 

独身女性のための納骨堂

  戦争で未婚を余儀なくされた女性達でつくる「女の碑の会」では、京都・嵯峨野の常寂光寺に、志を同じくした人たち同士の納骨堂を作ることになった。納骨堂は会員以外でも主旨を同じくする人なら男女とも受け入れ、永代使用料は会員が3万円、会員以外は10万円以下で、数十万円はかかる通常の納骨堂よりははるかに安い。(毎日88.7.25)

 

東京の墓地不足解消のための委員会発足

  東京都は8月30日、「東京都新霊園等構想委員会」を発足、大都市の墓園整備に乗り出した。調査会の提言では、今後予想される墓地需要は昭和60年から20年間で約36万基。「従来の形式の墓地では、増大する需要をまかないきれない」として、新霊園の建設可能性の検討と、土地の効率的に利用した新しい墓地の導入を求めている。(産経88.8.31)

 

都心の墓地代は280万円

  墓地は私営と公営があるが、どちらも購入するのではなく永代使用権を得る仕組みで、この使用権は公営では1平方m当たり38,000円くらいから、民営霊園では20万円くらいからある。ところが由緒ある寺院の境内となると100万円以上、ときには300万円ほどになる。雑誌「マネージャパン」9月号に、東京を中心とした13ケ所の霊園の永代供養料の一覧が載った。それによると一番高いものは、東京都港区の浄土真宗の寺院の280万円からのもので、別に年間の管理費用が12,000円かかる。次は横浜にある同じく浄土真宗の寺院の250万円からのもので、別に年間の管理費用が1万円とある。墓石料金は別途必要である。(マネージャパン88.9)

 

東京の真ん中に巨大地下納骨堂

  深刻な墓不足にみかねて「カトリック高輪教会」がロッカー式の納骨堂を作った。納骨堂は地上3階地下1階建ての新教会の地下1階部分に設けられ、広さは約340平米。信者の紹介があれば信者以外の人でも分譲できるという。3,000体以上の納骨が可能で、教会の納骨堂としては日本最大。(産経89.3.18)

 

壁墓地の構想が初めて提出

  墓地供給策を検討していた「東京都新霊園等構想委員会」は、我が国の公営墓地として初めて「壁墓地」の導入を求めた構想を発表した。「壁墓地」は日本の公営墓地では前例がないため、3ケ所の都営霊園にモデル墓地を作り、抵抗感がないかを調査する。また永代供養をやめ、一定年限で使用権を更新する墓地使用期間の有限化の検討も進められている。(毎日89.4.14)

 

葬式、戒名、納骨が無料の福祉寺

  群馬県佐波郡にある「平等山福祉寺」は、15年前創立した無宗派の寺院。葬式、戒名、納骨の手数料はタダ。5年前には無料霊園を開設。無料葬式の申込は全国で年間50件。無料戒名はすでに1千人近い。霊園の永代供養料は無料で、1基2〜4,000円の管理料を取っている。(朝日新聞89.8.5)

 

墓石業者、中国で合弁会社を設立

  墓石として最も多く使われているみかげ石の6割が輸入に頼っている。昭和61年度は、韓国、インド、中国など23ケ国から、78万トンが輸入された。墓石業界の大手、山陰石材センターは、中国で今秋に合弁会社「龍山石材有限会社」を設立する。中国から原石を輸入する企業は多いが、現地で合弁事業を展開、加工品を輸入するのは珍しい。(日経産業89.8.5)

 

神社に納骨堂

  死は汚れとして避けていた神社で納骨堂を建てたところ、希望者が相次いだ。その理由として、「故郷に墓があるが滅多に行かないので」「神道だと戒名料がいらない」など、壇下離れを思わせる申込みもある。祖霊殿(納骨堂)があるのは太宰府市の太宰府天満宮で、総工費6億円で89年3月に完成。500人分のお骨を収納できる。4月から氏子だけでなく、広く一般に納骨堂を募集したところ、現在までに360基が埋まり、早くも施設拡張の計画が出ている。(西日本89.8.12)

 

霊園の申込代行で見込客作り

  都営霊園の公募受付が8月31 日から始まった。申し込み受付は郵送では認められず、都庁まで持参しなければならない。そこで書類の記入から提出までを、無料で代行するという墓石業者が客引き合戦を演じている。狙いは当選者に墓石を売り込むためと、多数の落選者にも顧客リストにのせて今後の売り込みを計るのが狙いである。(朝日89.9.7)

 

ひばりさん、百ケ日法要後に納骨式

  6月24日死去した歌手、美空ひばりさんの百カ日法要と納骨式が9月17日、横浜市港南区の唱導寺と市営日野公園墓地で営まれた。寺や墓地の周囲には最後の別れをしようと午前6時頃からフアンが訪れた。(中日89.9.18)

 

夫の先祖の墓に入るのはいや

ルポライター井上治代さんは、男女330人に「お墓には誰と一緒に入りたいか」と質問。その答えは「夫婦」と答えたのが38%、「家族」が35%、「自分の両親」が21%で、「先祖代々」は16%にすぎなかった。さらに「姑と一緒はいや」「夫の先祖の墓はいや」など、夫の「家」を拒否する女性は36%もいた。(毎日89.9.18)

 

産業廃棄物で墓石作り

  宇都宮市内の廃棄物処理会社が、廃棄物を墓石に加工するユニークな計画を進めている。天然御影石の墓石に比べ価格は5分の1から10分の1と格安。外観も天然石そっくりのものが生産できるという。強度はコンクリートの10〜20倍もあり、表面が壊れても内部の廃棄物は樹脂で固めているため、雨水で流れ出すことはないという。(東京タイムズ89.10.10)

 

伝統的な墓は美観を損ねる

  墓を新しく作る場合、地元の住民の説得に大変気を使う。太田市の八王子山公園墓地の分譲が昨年11月に始まったが、その形態が少し違っている。市の都市開発部では「地元から墓らしい墓は、公園墓地としてイメージが悪いからだめだという要請があり、墓石の形を板型の洋式に統一した。どうしても和式という人には、寺院墓地をさがしてもらうほかない」との見解である。(朝日89.10.16)

 

大谷本廟マンション墓地、伝統の強みで超人気

  最高1基1,000万円以上もするマンション式納骨所「新・無量寿堂」が、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人のお骨を納める大谷本廟にこのほど完成した。大谷本廟は現在、14,000基の墓地と、44年に建設したマンション式納骨堂があるが、いずれも満杯状態。そこで63年1月から総工費25億をかけて完成。鉄筋コンクリート地下4階、地上3階の大型納骨所。納骨は6,500基を予定しているが、分譲された91%がすでに契約すみである。(京都89.12月25日夕)

 

コンピュータ制御で、墓石呼び出し

  飛島建設は地下空間の有効利用を狙った、地下墓地格納庫を計画。寺院の地下に墓石を格納する3層程度の空間を作り、来園者が指示すると、墓石の床がコンピュータ制御で動き、地上に設置した礼拝室に墓石が浮上してくる仕組み。地下格納システムは、墓石40〜50基が1ユニットで、建設費は4億円前後。(日経産業90.1.11)

 

誰が読むのか改葬広告

  無縁になったお墓を整理して新しく墓地を作るには、土地所有者は改葬する旨を知らせる公告を全国紙2紙に3回、計6回出さなければならないという法律がある。しかし読まれないうえに、5〜600万円もの経費がかかる。厚生省ではこの法律が墓地乱開発の歯止めになっているという。(アエラ90.3.13)

 

お墓にも使用制限

  墓地の用地不足を検討をしている東京都新霊園等構想委員会は、新たに建設する都営霊園について使用期限を設ける報告書を出した。期限は三十三回忌を一つの目安にし、遺族からの希望があった場合のみ期限の更新を認めるというもの。(山梨日日新聞90.4.9)

 

沖縄の基地内に墓地を拡張

  沖縄市でも墓地用地の確保が深刻な問題となり、市は米軍用地にある市霊園墓地拡張計画に着手している。33,000平方mある市有地に、653工区が設けられた。1工区あたりの永代使用料は24万7500円。(沖縄タイムズ90.6.13)

 

帰国孤児のための共同墓地完成

  中国から帰国した残留孤児の高齢化が進むなか、資金不足から東京近郊には墓を持てない孤児の遺族のために、都内の孤児支援グループが東京都秋川市の霊園に500柱納骨できる墓を作り、6月17日その除幕式が行われた。(毎日新聞90.6.18)

 

洋式霊園、売れ行きさっぱり

  岡山市の上道霊園にある洋式墓所が造成されて10年、いまだに8割が売れ残っており同霊園の一般墓地の完売と好対照をみせている。市環境衛生課は「当初はキリスト教信者の埋葬や都会地でモダンな墓所として良く見られることから設けたが、信者は教会の納骨堂を利用しており、一般の人も旧来の区画分けのきっちりした墓所の希望が多い」と見込み違いを認めている。(山陽新聞90.6.24)

 

墓地購入は定年退職時がピーク

  墓地購入の年令区分について「霊園ガイド」がアンケート調査をしたところ、55〜59歳が25%と第1位、続いて60〜64歳の18%、65〜69歳の18%の順で、墓地購入時期は定年退職時がピークであるという結果がでた。なお「希望する墓の形式」では、従来の和型・平面墓地を求める人が61%、新スタイルを求める声も約33%あった。(霊園ガイド90・夏期お盆号)

 

21世紀の結縁と墓を考える会

  従来の「家族」「血縁」中心の助け合いネットワークから、個人、夫婦、地域のネットワークに移行し、お墓も「家の墓」から「個人墓」や「夫婦墓」が求められ、跡継ぎがなくても維持管理ができるシステムが求められるようになる。そうしたテーマを考える「21世紀の結縁と墓を考える会」を、ルポライターの井上治代さんが発足させた。その最初の集いとして8月25日、新潟県巻町にある妙光寺を会場にしてシンポジュウムを開催する。(月刊朝日90.9)

 

遺骨と灰を太平洋に

  79歳の生涯を閉じたライシャワー元駐日大使の遺体は9月1日朝、荼毘に付され、遺骨と灰はカルファオルニア州ラホーヤ沖の太平洋に、ひっそりとまかれた。「葬儀はしない。だれも立ち会わず日本とアメリカを結ぶ太平洋に私の灰をまいてほしい」との遺言に従って実行された。(読売90.9.3)

 

高野山墓地でデザイン・面積などの管理規制

  織田信長から現代の企業まで数万基の供養塔が立ち並ぶ高野山の墓地に、ロケット型の企業の物故者慰霊碑などユニークな碑が目立ってきた。しかし無秩序に建碑を認めると、聖地が企業のPRの場になるとして、宗務所では管理規定をもうけた。それによると、「永代使用権の譲渡禁止、面積は6平方m以内、墓石等の高さは2m以内、設計書の提出義務」など、厳しい規制が盛り込まれた。(朝日90.9.6)また空海に帰依する新徒が使用することが条件。そして、永代使用権を第三者に譲渡することができない他、墓建設前に構築設計書を提出することを義務づけている。(読売90.9.17)

 

東京の寺院でお墓を無料提供

  東京都葛飾区内の寺院は墓地250区画を無料で開放し、9月14日受付を始めた。条件は天台宗の様式に従うことと、骨壷を用意するだけで、受付日には朝から70人が行列し、初日から希望者が殺到した。(日経90.9.14夕)寺側では「2倍程度」とみていたが、3日間で約3,200人が訪れた。(毎日90.9.19)

 

大仏のある霊園、600区画が4日間で完売

  茨城県牛久市の「牛久浄苑」は東京本願寺が経営する大型霊園で、「浄土庭園」にはわが国最大の阿弥陀大仏が据えられ、観光事業としても注目されている。この霊園のオープンは91年5月を予定しているが、90年9月15日に開始した600区画の予約販売が、わずか4日間で完売した。墓の総区画数は最終約15,000区画となる予定。

 

地下7階、明るい霊園はいかが

  お墓も地下時代へ。鹿島建設は地下式霊園第1号を開発したところ、首都圏の自治体などから問い合わせが殺到している。地下は約25mまで掘り、地下中央部にはアトリウム(吹き抜け空間)が設計され、明るさを演出。モデルタイプで、建設費は22億円と試算しており、有効面積の1平方m当たりの単価は200万円くらいになりそう。(産経90.9.19夕)

 

遺灰まける「再生の森」を提案

  小河内ダム(奥多摩湖)の水源森に、遺体の灰をまくことができる「再生の森」として保存してほしいという要望書が都知事あてに提出された。要望書を出したのは「葬送の自由をすすめる会」。同会は「灰をまくことは、墓地・埋葬等に関する法律で禁止されている遺骨の『埋蔵』『収蔵』には当たらない」と主張し、灰を海や山に自由にまく運動を進めている。(毎日90.10.12)

 

散骨、20%が容認

  総理府が11月4日に発表した「墓地に関する世論調査」の中で、海や山への散骨について、5人に1人が認めてよいと答えた。しかし56.7%が認めるべきでないと答え、アメリカの法律のように、散骨の実現にはまだまだ時間が罹りそうである。(毎日ディリー90.11.15)

 

火葬場数は減少、納骨堂数は横這い

  厚生省の調べで火葬場、及び納骨堂の年次推移が発表された。それによると全国の火葬場数は昭和60年に13,148施設あったのが、2年後の62年には11,179施設と急激に減少した。以後は緩やかに減少し、平成元年には10,679施設となっている。一方納骨堂は昭和50年には8,476施設、60年には10,298施設と上昇していたが、以後は横這いに推移して平成元年には10,325施設となっている。(厚生の指標91.1)

 

抑留者墓地を日ソ合同で建設

  戦後シベリアで抑留中に死亡した人たちの墓地がこの夏、バイカル湖畔など2ケ所に建設される。全国抑留者補償協議会(7.8万人)とソ連側が合同で建てるもので、ソ連の自治体が整備している日本人墓地は26ケ所あるが、両国が協力して作るのは今回が初めて。(朝日91.2.15夕)

 

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