一般の会葬者への香典返しにはさしたる失態はありませんが、先日隣組の葬儀の手伝いに行った折り、とんでもない失敗をしてしまい、いま思い出してもなんて年甲斐もないことをしてしまったのだろうと恥入っています。
それは葬送の当日のことでした。私の隣組ではいろいろな役目を輪番でやることにしているのです。たまたま秋は受付の役で、もう一人がお返しものをする分担で、午後一時の出棺時を待たず一般会葬者の姿はパッタリ消えました。これはいつものパターンなのです。私たちはこの間を利用して交代で食事をしました。やがて出棺、葬列が出ると、四十九日のお返しものの準備に入りました。
ご承知のように、四十九日法要は近親者が主で、その人数も事前にハッキリしてるし、お返しも、人数だけで余分はなく、気分が楽でした。やがて時間が過ぎ、ボツボツ本葬を済ませた人々が戻られ、四十九日の受付とお返しが始まりました。大過なく進み、お返しものがゼロになり、私たちはやれやれと安堵の吐息をついていた時、なんと2人の近親者が現われ「ごくろうさん」のねぎらいの言葉とともに香典を出したのでした。
私たちはビックリ仰天。お返しものがゼロになった時点で喪主から渡されたメモで人数の確認をし、すべてがピッタリで安心してたのに、どこでどうして。でも、そんな不審も戸惑いも見せられない私達の役目の重さ。私はとっさに目ぐばせし、すでに私たちが戴いてたお返しもので、急場をしのいだのでした。そして改めて香典帳を再確認したところ、四十九日の会葬者の中に遅れてきた一般の縁もゆかりもない人の名を見つけたのです。よく見ると香典そのものもお義理程度のものではありませんか。
記帳時になぜ気がつかなかったのだろう。悔いが。自虐が。いい体験をしました。