自動車事故による賠償

自動車の運転手は誰もが自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)又は、自動車損害賠償責任共済(自賠責共済)に入るわけことが義務づけられているわけですが、それを扱う法律が「自動車損害賠償保障法」です。この法律により加害者に対して損害賠償請求をすることが出来ますが、ひき逃げや無保険者などで加害者が不明の場合には、政府が被害者(遺族)に対して損害をてん補する「自動車損害賠償補償事業」があります。また任意の自動車保険(任意保険)とあいまって、被害者に対する救済に重要な役割を担っています。

関連する法規

1.自動車損害賠償保障法

■第1条[この法律の目的]

この法律は、自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

■第3条[自動車損害賠償責任]

自己のために自動車の運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第3者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。

■第5条[責任保険の契約の締結強制]

自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)の契約が締結がされているものでなければ、運行の用に供してはならない。

■第15条[保険金の請求]

彼保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。

■第16条[保険会社に対する損害賠償額の請求]

(1) 第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。

■第17条[被害者に対する仮渡金]

(1) 保有者が、責任保険の契約に係わる自動車の運行によって他人の生命又は身体を害したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、政令で定める金額を第16条第1項の規定による損害賠償額の支払のための仮渡金として支払うべきことを請求することができる。
(2) 保険会社は、第1項の仮渡金の金額が支払うべき損害賠償額をこえた場合には、そのこえた金額の返還を請求することができる。

■第72条[自動車損害賠償保障事業]

(1) 政府は、自動車の運行によって生命又は身体を害された者がある場合において、その自動車の保有者が明らかでないため被害者が第3条の規定による損害賠償の請求をすることができないときは、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。責任保険の被保険者及び責任共済の被共済者以外の者が、第3条の規定によって損害賠償の責に任ずる場合(その責任が第10条に規定する自動車の運行によって生ずる場合を除く。)も、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。

 

2.自動車損害賠償保障法施行令

■第2条[保険金額]

第13条第1項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者1人につき、次のとおりとする。
(1) 死亡した者
イ.死亡による損害 (ロに掲げる損害を除く。)につき3千万円(平成4政259 改正)
ロ.死亡に至るまでの傷害による損害 (ロからヘまでに掲げる損害を除く。)につき120万円
(2) 傷害を受けた者

■第5条[保険会社の仮渡金の金額]

法第17条第1項の仮渡金の金額は、死亡した者又は傷害を受けた者1人につき、次のとおり
(1) 死亡した者 290万円
(2) 次の傷害を受けた者40万円
イ.脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる 症状を有するもの
ロ.上腕又は前腕の骨折で合併症を有するもの
ハ.大腿又は下腿の骨折
ニ.内臓の破裂で腹膜炎を併発したもの
ホ.14日以上病院に入院することを要する傷害
で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの
(以下略)とする。

 

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