質問:遺言の方法・遺言の効果について教えて下さい。 |
相続人以外の人に財産を残したり、相続人のうち特定の人に多くの財産を
残す場合には遺言が必要です。
代表的なものとして次の2つの方法があります。
遺言者が自筆で全文を書く遺言です。遺言には必ず遺言した日の日付と氏名を記載し、押印しなければなりません。ワープロやテープレコーダーによるも のは無効で、全文を自筆で書かなければなりません。
次の手続きに従って公正証書として遺言を残す方法です。
遺言は何回も書き直すことができます。この場合自筆証書や公正証書にかかわらず日付が一番新しいものが有効になります。但し、自筆証書は、家庭裁判所で相続人全員が遺言者が書いたものであると認める手続きが必要です。そのため争いを未然に防止する意味から、公正証書にしておく方が良いと思われます。
遺言による遺贈は、法定相続人の相続分に対する権利より優先して効果を発します。しかしそのままでは、相続人の利益があまりにも侵害されるので、一定の遺留分を定め相続人の権利を保証しています。従って、遺贈により財産を取得しようとしても、相続人が遺留分の権利を主張すれば、遺留分に相当する部分の遺贈は無効になります。
遺留分の額は、相続人の態様にによって次のように定められています。
留意分の額 | 相続人の態様 |
---|---|
被相続人の財産の2分の1 |
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被相続人の財産の3分の1 |
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たとえば、配偶者と子供がいる人が、全財産を第3者に遺贈する遺言を書いたとしても、全財産のうちの1/2は配偶者と子供が遺留分として相続することができます。
遺贈
被相続人──────→
第3者(1/2)
│
│ 相続 配偶者((1/2)×( 1/2)=1/4)
└────────→ 子供 ((1/2)×(1/2)=1/4)
(遺留分とされた財産は法定相続分により各相続人に取得する権利が生じます)
(金本殿鎬 出典MSネットワーク、イーコールより)