1995.05 |
アメリカ合衆国の1993年の死亡者数は22万人で日本の死亡者の約2.7倍である。この国が行なうことはどんなことでも日本に影響を与えずにはおかなかったが、葬儀の点ではまだまだその様子が違っている。しかし似てきていることもいくつかあるし、日本よりも進んでいることもある。違う点は、日本の火葬とアメリカの埋葬方式である。またアメリカはエンバーミングが行なわれ、日本ではそうではない。アメリカは斎場で葬儀が行なわれるが日本はそうではない、など…。しかし現在はその差が縮まって来ている。
まずアメリカの火葬率が増大してきた。そして火葬された遺骨を海にまく方法が日本でも話題になり、わずかではあるが日本でも散骨が行なわれるようになった。また日本でも年間何千というエンバーミングが行なわれるようになった。次に日本でも斎場での葬儀が増え、葬儀の地域性が希薄になり、伝統や宗教にとらわれない葬儀を希望する者が増えてきている。こうした時代の動きは日米共通といえるだろう。そこでアメリカの今後の葬儀の動向を見ることで、日本の葬儀の在り方も参考になるのではないだろうか。
アメリカ火葬協会によると、アメリカの火葬率は1992年の19.11パーセントが1993年には19.78パーセントに、人数では41万6000人と伸びている。火葬が増えている地域は南米からの移住者が多いカルフォルニア州やリゾート地のフロリダ州の伸びが多く、西暦2000年には火葬率が25パーセントを超える見込みである。特にフロリダの定年退職者が集まっている地域では、家族とは別れて生活しているケースが多いので、火葬率も70パーセントを超えているところがある。火葬が増大している理由として同協会では、次の5つを上げている。
1. 退職者が集まる地域への人口が増大している
2. アメリカへの移民が、火葬を行なうアジア系の人口が増大している
3. 人々の教育水準が上がっている
4. 伝統に捕われなくなっている
5. 環境問題などに敏感になってきている
(『アメリカ葬儀デレクター』94.10月号)
アメリカは多くの人種が集合して生活しているが、葬儀方法はそれぞれの民族の伝統に従って行なわれている。一方、キリスト教徒も埋葬から火葬に転向する人が増え、ベビーブーム世代の葬儀意識など、こうしたものが要因となって葬儀は今や大きな転回期を迎えている。カルフォルニアの葬儀協会の代表であるロン氏は、増大するベトナム人やインド人、あるいはイスラム教徒などの葬儀方法を学ぶために、もう一度葬儀学校へ行かなければならないと述べている。
ニュートン葬儀社のニュートン氏は、ベビーブム世代はシンプルで個性的な葬儀を求める方向にあると見ている。彼らが必要とするシンプルの葬儀は、何も道具を必要ないという訳ではない。彼らは個性的な方法を望んでいるのである。
またカルフォルニアでは火葬が大きな流れとなっている。1993年にはカルフォルニアの葬儀の44パーセントが火葬で、前年の2パーセント増である。
サンフランシスコ葬儀学校の校長は、葬儀社は消費者のために、葬儀社が与える情報によって葬儀方法を撰択し決定できる手助けをすることが大切であると言っている。「葬儀社は、顧客が何を望んでいるかを聞き、それに対する適切な情報を提供しなければならない。すでに顧客はこれを聞く姿勢が出来ており、これまで葬儀の手順などを一般に知らせることをしなかったが、これからは必要である」と言っている。(同書95.1)
アメリカの葬儀協会の会報誌『デレクター』94年10月号に、ウォルフェルト氏は、アメリカでの葬儀の非儀礼化について書いている。
現在葬送儀礼の重要性が失われているように感じられる。葬送儀礼は宗教儀礼として歴史の始めから行なわれてきた。しかしアメリカでは、この儀礼の重要性を失ってきている。特にアングロサクソン風の伝統を持った儀礼が縮小化されつつある。
そのもっとも顕著な例として火葬の普及がある。アメリカでは1992年現在、火葬率が19パーセント、1962年以来3.61パーセントアップしている。このように火葬率が高まった原因として、伝統的な葬儀費用は高額なためである。火葬協会の報告では、火葬を撰択した人の18パーセントがその低料金を理由にあげている。また葬儀を毛嫌いする理由は、金銭よりもその儀礼の形骸化にあるように思われる。
火葬は本来悪いものではないし、多くの文化が儀式とともに火葬を行なっている。しかしアメリカでは、死と悲しみを避けるために儀式なしで直接火葬をするケースが見られる。こうした場合、葬儀担当者は葬儀の意味を知り、それを遺族に教えてあげなければならない。これはたんにビジネスとしてではなく、葬送儀礼のもつ本当の価値を伝え、遺族に葬儀を行ないたいと希望させなければならないのである。
葬儀社は、死がもたらす心理的・社会的危機に対して、遺族を援助するための意味のある葬儀を作り上げる義務がある。多くの遺族は、儀式のもつそうした価値について知らないからである。
多くの伝統的葬送儀礼が形骸化し、創造性を失っている。多くの人々は無感動の葬儀に参列していると感じており、また社会の風潮も葬儀の意義に疑問を投げかけている。こうした背景のなかで、人々は自分の葬儀にも価値を見失い、「出来るだけ、めんどうをかけたくない」と考え、葬儀の縮小を望んでいる。葬儀の非儀式化の要因はどこにあったのだろう。
(1)我々は世界で最も死に対して自由な世代に属する
現在40から50代までの人達は、身内の死を体験しつつあるが、今日アメリカの死亡者の3分の2は65歳以上である。こうした40歳代の人々は意味のある葬儀に立ち会っていない。
一方、1900年代初頭には、ほとんどの子供が10歳までにいくつかの葬儀に立ち会っている。それは幼児死亡率が高く、年令と病気と死は日常茶飯事であった。今日では医学の発達によって寿命は長くなり、葬儀のもつ悲劇性が少なくなった。
(2)我々はいま動的な移行しつつある文化のなかにいる
現在家族や友人は、離れた距離を別々に生活している。50年前は近くの友人の葬儀に参列したが、現在では何百キロも離れている。そこで飛行機に乗って葬儀に出かけることも珍しくない。しかしこれは葬儀に参列するにふさわしい条件とはいえないのである。今の時代は能率やスピードが効用よりも大切にされている。それが安い葬儀を撰択される理由となっている。
(3)我々は自分自身で行なうことに価値をおく
今日は、個人主義と独立心の時代なのである。そこで葬儀を自分で行なう友人のために手伝うことも出てくる。
(4)我々は霊的なことを避ける
今日の社会は教育水準が高まり、死や生に学問的に取り組むようになった。そして儀式なしに直接火葬を行なうのは、高学歴の人々の住む地域である。彼らはこれまでのものとは異なる、伝統にとらわれない追悼式を望んでいる。追悼式が抱える問題は二つあって、一つは式が死亡日から何日も経ってから行なわれること、そして遺体がすでにないことである。
(5)葬儀社は遺族の悲しみや痛みを理解していない
葬儀社は遺族の悲しみを誤解している。遺族は時に変なことを口にするが、それは考えや感情を抑えた結果であることが多い。
(6)死の象徴を失った
フランスの民俗学者アリエスは、現在アメリカには死を象徴するものがなくなったといっている。それとともに、これまでの人々が伝えてきた死者と生者を結び付ける意味とその繋がりが失われた。たとえば悲しみをあらわす喪服と喪をあらわす腕章が使われなくなった。また葬儀や霊園に花輪が供えられるが、その他のシンボルが見られなくなった。人々は実用的になり、精神的な香典が行なわれなくなった。死を象徴する遺体も、それを斎場に安置することも、「見苦しい、費用がかかる」という意見もある。
これまでは斎場に安置された遺体と最後の別れをする風習であったが、棺の蓋をしたまま宗教儀礼もなしに火葬をすることが増えているのである。
(7)自分自身の死の否定
人は自分の死を考えない。
以上を総合して、今日の葬儀は「より早く、より内輪で」という傾向が強まっていくと書いている。
同じく、『デレクター』誌95年2月号に、以上の説に反論が寄せられた。それによると、今日の葬儀には宗教性や霊性が失われているが、その代わりより創造的になっているという。例えば、知識人が単に火葬に同調しているというより、変化に対して寛容になった。また昔の人は自分の感情を出さないことが紳士的とされたが、現在は人前で泣いたり苦しみを表現するようになったのも、良いことであると述べている。そして結論として「儀礼がなくなったのではなく、変化している」と良い方に解釈している。
全米葬儀デレクター協会では、毎年5日間ほどかけた大規模な大会を開催している。この時のテーマや講演内容を見ることによって、その時協会員が抱えている問題が把握できる。次のは1994年10月30日から11月3日まで、ナッシュビルで開催された大会のプログラムの一部である。
アフターケアで行なう儀式
健康を損ねた家族にどう対応するか
仕事場でのセクシャル・ハラスメント対策
雇用者・従業員の人間関係ガイド
市場調査の方法/市場占有率、利益率そして販促
厚生省が調べた葬儀業界
企業の将来のために遺族の役割を考える
結核感染について
火葬公認の法的基準
子供の死後の魂を祝福する
コンピュータ活用法
アフリカ移民の葬儀習慣
コンピュータによる死亡登録
危機カウンセラー役の葬儀デレクター
経費のコントロールについて
葬儀規則の承認
毎日をどう死とかかわるか
ニューメディア対策/取材にどう応じるか
親を亡くした者にたいする援助
傷の多い遺体のエンバーミング処理について
遺族へのサービス強化とその限度
幼児死亡/実践的方法
次世代にバトンを渡す
葬儀デレクターのホスピスについての見方
死んだ子供を記念するためのお手伝い
全体での利益確保/本当に儲かっていますか
大丈夫なだけの保険をかけているか
円卓会議
エイズによる死と葬儀デレクターの役割
斎場の援助グループ/成功と落とし穴
保険契約
プロとしての説得術
あなたのプレニード商品は安全ですか
中小企業の法律
葬儀デレクターと自身の悲嘆
葬儀における近代の伝統と古代の文化
斎場を成功させるプランニング
同業者との取引
斎場のイメージアップ
斎場叩きの効果的対応法
有効な固定資産税対策
追悼儀礼の販売促進
スランプに打ち勝つ法
火葬/過去・現在・未来
災害救助隊の対応
葬儀に於ける女性の役割
アフターケアの体験報告
クレジットカードによる支払
葬儀サービスの倫理/困難な状況に対処する
死別の回顧/四季に行なう追悼会
地域と語る
ケア提供者としての役割とその報酬
ヴィジョンを実現するなど。これを見ると内容が細かいので驚いてしまうのであるが、しかし熱心に勉強しているのには驚かされる。
『アメリカン・フューネラルデレクター』95年1月号で、95年の葬儀業界はどうなるかを特集した。
大きな動きでは、大手葬儀、霊園業者による葬儀社ならびに霊園の買収が続くと見ている。また葬儀社のオーナーはそうした動きに同意すると予測している。その理由には、葬儀運営に対する政府の規制に対応することが大変であることや、企業投資による退職の撰択などがある。しかし独立を守ろうとする立場もあり、彼らは独禁法などに守られるが、それでも毎年400社が買収されている。
質問内容は、業界で何が起こるか。葬儀と霊園業界は境界が曖昧になっていくか?両者は「リメンバランス(追憶)産業」として、一つに括られるかなど。
葬儀と霊園業界の境界が曖昧になる。そして霊園や葬儀業者の結合は、全国的な企業によって推進されていく。この結合により追憶産業の両者の安全を確保出来る。しかし霊園業界が葬儀業界に乗りだすことで、独立の葬儀社のシェアーを奪うなど軋轢は避けられないだろう。
死をケアする3つの部門が一つに統合されると考える。(1)死をケアする職業、(2)斎場と霊園も結合する方向に向かう、(3)追悼会などの行事の演出。こうしたものが一つとして、同じ場所で行なわれるようになるだろう。
家族の死に対し追悼的な形式が望まれるようになる。社会がこれまでとは異なった追悼の形を望んでおり、そのため葬儀社も遺族が望むサービスの提供に努めなければならないだろう。
葬儀業界はいくつかの変革に見舞われており、非伝統的な、低料金の火葬の増大、また政府の干渉や規制が行なわれるだろう。価格に敏感な消費者に屈することなく、これまでの伝統的な葬儀の価値を強化しなければならない。消費者の行動は、葬儀社のサービスに対する認識の変化によってのみ変化する。そのため、葬儀の事前設計や事前支払の価値を認めてもらったり、広告や公報を通じて、葬儀に対する正しい認識を持ってもらうようにする。
一般の市民は「故人を記念に残すこと」に対する興味を失っている。通りや建物に寄贈者などの名前を残すことも一種の故人を記念することである。一方人々は、故人が家族にとって特別な人であったことを記念する、個性的な式を求めている。こうした個性的な要求に答えられなければならない。
1994年、南部霊園協会の総会のテーマは「他業種とどうサービスを協力していくか」であった。葬儀社と霊園業者との間の境界が薄れ始め、お互いに戦うのでなく、どう協調出来るかを話し合うものであった。
このなかで「霊園関係者と葬儀社は協力して遺族のために尽くさなければならない」という発言が葬儀社から出た。彼の体験では、フロリダは現在52パーセントの火葬率だが、かっては12パーセントで、霊園での埋葬式に半数は携わっていた。しかし現在、霊園での埋葬式は36パーセントとなった。火葬の普及が仕事を減らしているのである。そこで葬儀社は、遺族のために霊園と協力することが必要であると語っている。
しかし全米霊園協会のダベンポート氏は、葬儀社の業界進出は霊園の事前販売の妨げになっているという。全米霊園協会に加盟している半数は霊園経営とともに葬儀を実施している。将来死から追悼まで一体になった場合、霊園業界では、それを「デスケア産業」でなく、「追悼産業」という名称が望ましいと思っている。
もう一つの動きは、火葬が増えた場合でも、葬儀をしっかり行なうことを徹底したいという方向である。これまでは火葬のみを行なって、葬儀をしないケースが多く見られたが、埋葬の場合に葬儀が必要であるように、火葬も葬儀が必要であることをもっと一般に知ってもらうというのがこれからの課題のようである。
アメリカには7つの大葬儀企業がある。サービス・コーポレーション、ローウェン・グループ、スティアートエンタープライズ、プライム・サクセッション、ジブラルタル・コーポレーション、エクイティ・コーポーレーション、そしてMHIである。アメリカには2万2,542の斎場があるが(斎場数はハワイに17個所、ニューヨーク州では2094個所ある)、うち1582の斎場をこれらの7社が保持している。この7社がアメリカの斎場の7パーセントを経営しているが、実質年間14、5パーセントの葬儀を施行している。
企業別に見るとサービス・コーポレーションは、斎場の40パーセントは海外にある。サービス・コーポレーションが昨年イギリスのグレート・サウザーン社を買収したことにより、ローエン・グループはその戦略を国内に依存することに決定した。同社は622の斎場、113の霊園、24の霊園斎場を傘下に納めている。
エクイティ・コーポーレーションは非都市部にターゲットを求めている。94年10月現在斎場数は89、霊園数は10カ所である。MHIは13の斎場、4の霊園、そしてフロリダに2つの火葬場を経営している。同社は事前葬儀に力を入れており、死亡時葬儀契約1に対し、プレニード契約数が1.3という割合である。実数でいうと1994年度に13の斎場での年間葬儀数3,091件に対して、3,976件の事前葬儀契約を結び、これまでの事前葬儀契約のトータルは25,950件という。
スティアートエンタープライズ社は、霊園が斎場経営に乗りだしたケースで、同社の経営するローン霊園の場合、1979年に斎場を開設し、15年後には年間1,200件の葬儀を行なっている。スティアート斎場では年間400の葬儀とその霊園に425遺体の埋葬を行なうという、典型的な合同戦略を行なっている。(95.2)
これまでの葬儀サービスは同じような儀式と、同じような葬儀商品を販売していればなりたっていたが、これからはさまざまなニーズに対応できる儀式(商品)づくりをしていかなければならないと言われている。特に価格破壊の波が、火葬の流行を通して無視できなくなっている。価格破壊は南カルフォルニアで顕著である。そこで知名度を上げ、かつ信頼性をうるために広告がかかせなくなっている。火葬市場において、またプレニード(事前契約)が重要な戦略となっている。フロリダ州だけで、著名な火葬サービスは1万件の事前葬儀契約を取得している。(94年)
またある業者は、カルフォルニア、アリゾナ、テキサス、フロリダなどの霊園と葬儀の複合施設を運営して、そのトータルコストを削減することに成功している。この複合サービスは事前契約がかかせない戦略である。特に事前霊園契約のプロはその手法を葬儀に応用している。この複合戦略は葬儀業界の主流になり始めている。このメリットは費用、便利性、さらに伝統的な葬儀の消費者イメージを上回るマーケッティング能力にある。
アメリカの葬儀はほとんど斎場によって行なわれているが、その斎場に求められている設備も変化が見られる。『アメリカン・フューネラルデレクター』95年2月号の記事によると、斎場のデザインでは、公共のスペースとプライベートの境界をはっきり分けることが大切であるという。斎場デザインの条件として、@斎場の機能を理解し、音響、香り、区分け、衛生、照明に注意を払う。A公共のスペースとプライベートのエリアをはっきり分けるBこの境界に物理的な仕切を設けるC公共の設備は、小人数で維持管理出来るようにするなどをあげている。
葬祭学校でもっとも変化していることは何か。ピアース葬儀学校の理事長によると、アメリカの葬祭学校では、エンバーミング(遺体処置)が最も中心的な学科であったが、今日の葬祭教育にはビジネスとマネージメント、そして法律を学ばなければならないという。また葬儀に関係する心理学や社会学も必要な科目となっている。こうした教育科目の高度化の背景には、葬祭そのものがビジネス化され、高度な産業であるというイメージ作りだけでなく、多様化する顧客満足を実現するためにどうしても必須な知識といえる。
また葬儀運営とエンバーミングはこれまで葬儀デレクターの免許として一括に取得していたが、これからは葬儀免許とエンバーミングの免許がそれぞれ別の管轄から認可されるようになるかも知れない。それだけ専門科されてきているということがいえる。病院でも各科が別れているように、大手の葬儀社では分業化が進んでいくと思われる。
フロリダで斎場を経営しているパール氏は、スタッフ訓練には短期目標と長期目標があるといっている。短期目標に次があげられる。
(1)従業員のやる気を高める
(2)作業能力を向上させる
(3)葬儀とその重要性を遺族に理解させる
(4)組織のサービスレベルを向上させる
(5)会社のイメージを高め、指導的役割を重視する
(6)葬祭サービスの仕事上の局面を深く認識する
などがあり、将来に向けての訓練に、
(1)将来に向けての指導者を養成する
(2)個人のサービスレベルを向上させる
(3)新しい葬儀サービスの実施に向けての指導者を養成する
(4)将来に向けてより強力で知的なチームを作る
(5)従業員に対するより長期的課題をもつ
(6)個々の顧客のニーズに対応できるようにする
などがある。一般に訓練の85パーセントは具体的な作業訓練に充てられ、15パーセントが態度の訓練と言われる。(94.5)
最後に葬祭学校で勉強している者が、のちに葬儀デレクターとなるが、その男女割合や白人の割合に変化が出ている。1976年は82パーセントが白人男性であったが、1993年には58パーセント。女性は9パーセントから29パーセントに増大した。また入学者の数も、1990年が2,213人であったが、1993年には2,915人に増加している。
以上がアメリカの葬儀の現状とこれからの変化である。これをみる限り日本は、葬儀教育で大変遅れている感じがするが、いかがであろう。